ガットを張り替えるときはガットの種類とテンションを指定します。以下ではその基礎知識について解説します。
ガットの種類
様々なガットがありますが、選ぶ基準として素材、構造、太さがあります。初めて張るならGOSENミクロスーパー16などの価格が手頃で標準的なガットをお勧めします。それを試してみて「飛びすぎる」、「切れやすい」、「もっとやわらかい感じがいい」などの感想をいってもらえればアドバイスできます。
ガットの素材
- ナイロン
弾力性がありボールの飛びが良い。加工しやすいため多くのガットで使われています。 - ナチュラル
昔は羊の腸から作られていましたが、現在は牛の腸から作られた天然繊維です。とても弾力性がありボールの飛びが良くテンション維持性能も良い。しかし、加工に手間がかかるため価格は高めです。水分には弱いので雨の中で使うと劣化します。 - ポリエステル
硬めだが切れにくい。弾力性はあまりありませんが、ハードヒットすると独特の打球感がありスピンがかけやすい。プロの世界では主流です。
ガットの構造
- モノフィラメント
単一の糸であり切れにくい。打感は素材によります。 - マルチフィラメント
たくさんの細い糸を束ねた構造で柔らかな打感。やや切れやすい。
ガットの太さ
- 細いガット
ボールが良く飛び、柔らかい打球感になります。細いほど打球音は高くなり、切れやすくなります。 - 太いガット
ボールは飛ばなくなりますが、切れにくいです。打球音は低くなります。
テンション
テンションとはストリングマシンでガットを引っ張る強さです。日本では通常ポンドで指定します。ラケットに書かれている適正テンションの範囲で指定するのが無難です。ポリエステル系のガットはボールがあまり飛ばないのでテンションはナイロン系のガットに比べて10%ほど下げるのがお勧めです。
- 低いテンションで張ると
ボールが良く飛び、柔らかい打球感になります。ボレーヤーやスイングの遅い人に向いています。 - 高いテンションで張ると
ボールが飛ばなくなり、硬い打球感になります。スイングスピードの速い人に向いています。
気温とボールの影響
テニスボールの中にはガスが注入されています。そのため温度や標高によって飛びが変化します。基本的には気温と標高が高くなるほど飛びが良くなります。そのためテンションは環境に合わせて変えた方が良いです。
さらにボールのメーカーや種類によっても打感や飛びが違います。試合前には試合球が何かを確認し、できればそのボールで練習しましょう。