ガットが切れない場合にいつ張替えたら良いのでしょう。結論から言えばご自身が張り替えたいと思った時に張り替えれば良いです。張りたてが好みなら試合や練習などに合わせて張り替えても良いでしょう。使えば使うほどガットは劣化していきますが、違和感なく打てるのであれば問題はありません。ポリエステルは伸びて弾力はなくなりますが、ボールが飛ばないほうが好きな方もいます。プロでも元女子ダブルス世界ランキング1位のシェイ・スーウェイ選手はポリエステルを張っていますが、切れるまで張り替えないそうです。
テンションの変化
たまに「試合に向けて張りたてのラケットを準備したら、いつもと感じが違った。」と言われる方がいます。これには理由があります。
張り上がってからのテンションは時間と共に変化していきます。次の図は当店が独自開発したAIを使ったテンション測定アプリで測定した結果です。
張ってから48時間ぐらいまでで急激にテンションが下がります。最終的にはストリングマシンのテンションの15%ほど下がって落ち着きます。つまり一般の方は多くの場合テンションが下がった状態で使っていることになります。
よく「トッププロは試合で張りたてのラケットしか使わない」と報道されますが、それは多くのラケットを同じ状態にするには「張りたて」にそろえるしかないからです。そしてトッププロは練習でも張りたてのラケットを使っています。錦織選手は3セットマッチだと7本ほどを張りに出し、夕方の試合なら「午前に張ること!!! (String the morning!!!)」と注文しているそうです。
「試合だから張りたてのラケットを使いたい」と考えるなら、普段から張りたてのラケットで練習すべきです。張りたてに慣れていなければ試合で違和感を感じることになります。